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癌患者もただの人。働かないと食えないし、笑ったり怒ったり、電車にも乗るよ。
昨年秋から抗がん剤一回、8時間に及ぶ外科手術一回。
早々に二回目の抗がん剤を始めるのがよいのだが、娘の大学受験で落ち着かぬわけで3月初旬に持ち越す予定。
ま、術後は一月も入院してしまったので暫くはシャバに出ていたいから、このペースでよかったのかもしれない。
難儀なのは合併症(と表現してよいのかな?)。
大きく切開して喉元のリンパ節を剥ぎ取ったため喉周りの不調は避けがたく、とにかく咳が出る出る。
世の中、伝染病に過敏になっているからして、出歩くのも大変だ。
菌もウイルスも持っちゃいないがマスクは必須。
電車で隣席の女性が迷惑そうに遠くの座席に移動したときは、ついムッとして移動した席の隣にワタシも移動してやろうかと思った。
しないよ、もちろん。
家庭ではどうかってぇと、同じようなものだ。
咳はもちろん疲れるが、四六時中けいれんを起こしている消化器に同様に疲れるのだが、こいつは外側からは見えやしない。
喉の痙攣はことに厄介で、食物を呑み込もうとした瞬間にやられると、危険極まりない。
寸でのところで誤飲を免れること、これまで数回。
そんな時も、ひたすら一人でゲホゲホやってるってわけ。
半年は我慢だとか。
個人差もあり、いつまで続くのやら。
そんな年末。
パチンコだか飲み屋だか知らんが遊びから帰った夫はドカリと座り、テレビをつける。
当方は、お煮しめやら片づけものやらで台所に張り付いている。
夕食時なので手間は二重。
一品、新しく造った夕食用のおかずを夫の前に出しておいた。
作り置きの食べ物はいつでもストックがあるし、今まさにお煮しめも順次出来ている。
さあ、出した。
夫はふんぞり返ってテレビ鑑賞。
こちらはお煮しめに戻る。
テレビ、台所。
やっとられんので、台所仕事の片手間に台所でおかずをついばむワタシ。
テレビの前では給仕を受けて当然と、声すらかけぬ夫。
咳は出る。
痙攣は起きる。
それでも立ち仕事しながら食べるし、仕事はいくらでもある。
因みに、気管支炎で苦しんだ年も何度かあったが、見て見ぬフリが我が家では毎度のことだ。
キレるぞ注意。
いやさ、キレたさ。
たいがいにしくされ(ハラの中では河内弁)!
なんで病気がみつかってからも変わらず4時間睡眠で、朝は食事の支度から昼間はフルタイマーで働き帰れば洗濯をし、寝る寸前には風呂の掃除もやり、挙句、夜中だろうが夫のトイレの後始末に起きる(汚れを放置すると自分の用足しの時に困る)生活。
片や最低でも一日4時間は飲酒して9時間は眠る夫。
ねぇ。
夫の悪口を言うのは悪妻、なんていう定義は恐らく昭和に入ってからの日本国内特有の発想だよね。
どんなにコキ使われても耐えしのぶ妻の美徳なんて、元々はテレビドラマのネタさ。
おかげさんで、こちとら癌だよ。
40代半ばでね。
ゴボウ、ゴボウ。
好物である。
しかし、手荒れの原因でもある。
皮を包丁の背でこそぎ取り、切る、なんて本当はなんてこたぁない作業のはずなんだが。
指や爪は黒く染まるし、皮膚はパサパサ。
スーパーのレジでイヤな顔をされることも多いな。
キミんところで買ったゴボウで指が黒くなったんだがね。
言わないけどさ。
きんぴらゴボウはもちろん好きだが、お煮しめ用に酢を使うとなお旨みが出る気がするな。
手間が少なく楽なので、日頃はハリハリにしちゃうけど。
マヨネーズを使ったサラダもいいが、あまり作ってみたことがない。
こんなアクが強くて渋味にエグミもある草の根っこ、誰が最初に食べてみようと思ったのやら。
食べ方を思いついた人、エクセレント。
エグいのに、食べたくなるよね。
昨今、食品売り場やドラッグストアでは、ごぼうチップスなんてお菓子も並んでいる。
ゴボウ茶も。
そこまでやるんかい。
お茶にして本体を捨てるんなら、食べちまう方が好きかな。
ああそうだ。
大根、人参、蕪も根っこだね。
根っこは、どいつも美味。
油断大敵、完全敗北。
黒豆にね。
あっと言う間に大惨事。
煮汁を飛ばし過ぎたんだな、これ。
シワがたんと出来てしまった黒豆。
味は良いが、小豆餡風の濃い煮豆になってしまったではないか。
今日は一日、もう昨日になってしまったが、せいぜい煮物する。
大晦日に持ち越すと毎度つかれるものだから、ついつい一日中ガスコンロの前で過ごしてしまった。
親戚が訪れるご家庭とは違い、たいした物は作らないんだけどね。
日本人なのに、正月のお煮しめも知らないで育つのはいかがなものかと、娘の誕生後は恒例となった。
ま、娘にせよ夫にせよ、「別に頼んでない」なぞと平気の平左で言い放つ人種なのだが。
だがね、いくら年末年始にスーパーも営業するご時世とはいってもさ。
重箱くらい引っ張り出さなきゃ、きっと正月なんて無駄な休日になってしまう。
しかし、毎度納得のいかぬもので、黒豆なんぞは連敗中。
来年末こそはこの雪辱、晴らさでおくものか。
無残な豆の器を前に、力んでみる。
ともかく一年後に体力、健康を維持するこった。
今のところ、抗がん剤予定はあと一回。
転移、再発なきよう、しっかりと叩かねば。